05.11,2022_しまなみ街道

旅の日程的にはあと二日あるのだが、諸事情あり振り返りとしては今日で終わりにしたいと思う。

 

尾道は何より傾斜地に家々が建ち、路地が張り巡らされているという地形が魅力的だ。非常に疲れていたが宿泊したゲストハウスより早起きして人が多くいない間を狙ってそこを訪れた。そしてもう一つの目的は最近竣工された千光寺頂上展望/青木淳である。

少し息を切らしながら坂道と階段を登っていくと山の木々の影からコンクリートのリニアな形が現れた。この建築の構成は非常にシンプルで尾道の市街および向島を眺める方向に平行に展望ボリュームが配置されそこへ向かう動線は回り階段とEVの垂直動線とスロープによる螺旋状の動線の二つが端部に配置されている。スロープを登っていくと市街、山、市街、山、市街、海と進むたびに移ろう景色がよかった。そこから島々を眺めると、幾重にも重なる島の風景がみえ、これからあそこへ向かうのかと胸が躍った。

 

というのも昨年に尾道へ旅行に行った友人からオススメされたレンタサイクルを借りてしまなみ海道を走る。という計画を立てていたからだ。

ルートとしては尾道駅で自転車を借り、フェリーで向島へ渡り、向島因島生口島へとサイクリンロードを走り、生口島からフェリーで尾道へと戻るルートだ。他にもその先にもいくルートもあったが、どのくらいのしんどさなのかもわからず教えてくれた友人と同じルートとした。

 

しまなみ海道というくらいだからずっと海岸沿いを海を眺めながら走るのだと思っていたがいきなり山みちから進み、時たま海岸沿いに出たかと思えば島を渡る橋に向かうために山道を自転車を走らせるという具合に山の中の景色の方が多かった記憶があった。だからこそ高いところから眺める島の景色や海の沿いを走る気持ちよさは最高だった。やはり少しくらいの苦労をした上での絶景というのはより感動するんだと思う。

 

1人ということもあり休憩もいいところがあったらする、それ以外は黙々とペダルを漕ぐという風に進んでいくと思いのほか早く最終目的地まで進み、少しの名残惜しさも持ちつつ、満足感を持ってフェリーで帰路へ向かった。

 

一日自転車を漕ぎ、ゴールだけを決めてフラフラとする旅行もいいと感じつつ、貧乏性の自分はもう少し計画を立てたほうが名残惜しさをもたないのだと感じた。それでもその後は尾道商店街の家庭的なお店で読書をしながらお酒を嗜むという贅沢な時間を過ごし、温泉に入りゲストハウスで就寝と非常に有意義な1日を過ごした。

 

今回の広島の旅行は今までの国内でもトップに入る充実の旅行だった。就職をして金銭的な余裕もあったのもあるが、自分自身を改めて見つめ直すこともでき、視野が広がったと思う。本当にいい旅だった。

 

この旅行は1人だったのもあり、意識的にお店の人などと話そうとしていたが、日頃淡白な都会で過ごしすり減った心に、あったかい太陽が降り注ぐような現地の人の優しさにすごく心が満たされた。こういうのも1人だからこそだろうし(友人といく旅行ももちろん楽しいのだけど)また1人でどこかへ行こうとワクワクしている。

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